未修・理系社会人がゼロから始める司法試験予備試験受験

貧乏勤務医が人生とキャリアにプラスを求め、ゼロから予備試験→司法試験を受験する過程を赤裸々に。2020/4月、中央大学法学部通信教育課程3年次編入。

司法試験・予備試験合格のため最も大切なもの、それは条文だった

条文が全て
司法試験・予備試験の合格を狙うためには、膨大な量の勉強が必要です。

条文、定義、趣旨、論証、起案、短答、答練など様々な勉強が必要となりますが、最も大切なことは何だと思いますか?

まだ勉強中の身ですが、私は条文だと思っています。条文を知らなければ、問題文の意味が分からないこともありますし、正しい答えを選ぶこともできません。また、条文を暗記することで、法律の体系や論理を身につけることもできます。

今回は、条文の重要性について掘り下げてみたいと思います。

司法試験と条文の基本

司法試験は、法律家としての資格を得るための国家試験です。 この試験では、民法、刑法、憲法など、多岐にわたる法律分野の知識と理解が問われます。

これらの法律分野はすべて、条文として法律に定められており、これらの条文の理解は司法試験の基礎をなします。

条文の理解が不可欠な理由

条文の理解が司法試験・予備試験の合格に不可欠な理由を3つ、具体的に挙げておきます。

  1. 法律の基礎となる文言: 条文は法律の具体的な文言を提供し、法律の解釈と適用の基礎を形成します。 法律の精密な理解には、その根底にある条文の理解が不可欠です。

  2. 法律理解の正確性: 法律はしばしば複雑で、一般的な言葉ではなく、特定の法律用語で記述されています。 このため、条文を正確に理解することで、法律の正確な解釈が可能になります。

  3. 事例問題への適用: 司法試験・予備試験の論文式試験では、実際の法律問題に対する適用能力が試されます。 条文を深く理解していることで、複雑な事例に対する的確な法律適用が可能になります。

定義や趣旨、そして論証も、基本は条文から。

定義や趣旨、論証を覚える方が大事だよ、という方もいると思います。 もちろん、それらの正確な理解がなければ論文試験を勝ち抜くことはできません。

では「定義」とは何でしょうか?「趣旨」とは何でしょうか?

「定義」とは、法律的に固有の意味のことを指します。 「趣旨」とは、どうしてそのような法律や制度、条文ができたのかという存在理由。 大抵の法律には、目的規定又は趣旨規定が第1条として置かれています。

zero-shihou.net

要するに、「定義」も「趣旨」も、条文が基本となっているのです。 そのため、法律の根本である条文をしっかりと理解し、正確に記憶することが必要です。

「試験場で配られる六法には条文が載ってるから、わざわざ覚える必要はない」という意見に対して

「試験場で配られる六法には条文が載ってるから、わざわざ覚える必要はない」というもっともらしい意見も目にします。

これについては、

  • 短答式・口述式試験は六法配布、持ち込みなし。
  • 論文式試験の場合、確かに条文は載っているかもしれないが、時間のない極限状態で目的の条文をロスタイムなしに探すことは可能か?

という観点から、やはりある程度条文を覚えておくことは必要だと考えます。

各予備校講師や弁護士の方も条文の重要性に言及している

ちなみに、「条文が大切」と初めて言ったのは当然私ではありません。 各司法試験予備校講師の皆様や、現役弁護士の方も条文の重要性についてそれぞれ言及しています。

ご興味のある方は、以下の動画をご参照ください。


www.youtube.com


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条文学習の方法

さて、条文の重要性はわかったものの、どうやって覚えたら良いかがわからないという方に向けて、私の行っている方法のうちのいくつかをご紹介いたします。

  1. 反復学習: 条文はそのまま覚えることが重要です。 繰り返し読み、書き取ることで、記憶に定着させます。

私は反復学習のためにAnkiを利用しています。 民法と日本国憲法については、テンプレートがありますのでそちらをご活用いただければ良いと思います。

ただし改正前民法なので、改正点については各自で拾う必要があります。

https://ankiweb.net/shared/info/1512683700

刑法については、私が作ったAnki用データ(タブ区切り形式)がありますので、ご入用な方はご自由にダウンロードしてください。

note.com

2.条文の文言だけではなく関連する定義や趣旨も一緒に: 条文を覚える際に引っかかった言葉については、定義や趣旨も一緒に覚えてしまうと役に立ちます。

例えば刑法第36条について取り上げると、

(正当防衛) 第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。 2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

という条文があります。ここで

「急迫不正の侵害」⇨「急迫」「不正の」「侵害」それぞれの定義を思い出すのです。

  1. 事例との結びつけ:

「条文が全て」とは言っても、条文の文言だけを闇雲に覚えても役に立ちません。 条文を単に暗記するだけでなく、実際のケーススタディや過去の司法試験の問題(短答、論文ともに)と結びつけて学ぶことが重要です。

  1. 条文間の関連性の理解:

各条文は独立しているだけでなく、他の条文との関連性を持っています。 これらの関連性を理解することで、より深い法律理解が可能になります。

そのためには、一度で良いので法律を条文番号順に見ることをお勧めします。 章立ての順序やタイトルなども同時に見ておくと、条文への理解がより深まると思います。

結論

司法試験の勉強において条文の重要性は極めて高く、法律の基本的な理解から、実際の法律問題への適用まで、その理解が不可欠です。 条文を正確に理解し、深く学ぶことで、司法試験において高い成果を上げることが可能になります。 このような学習プロセスを通じて、法律家としての基礎固めをすることが重要です。