未修・理系社会人がゼロから始める司法試験予備試験受験+α

貧乏勤務医が人生とキャリアにプラスを求め、ゼロから予備試験→司法試験に挑む過程を赤裸々に。その他の資格の話も少々。

【用語】原始取得と承継取得

未修理系初学者の私が理解しにくかった用語の一つに、原始取得と承継取得があります。

原始取得と承継取得については、はっきりとした定義を記載している本が少ないような気がしますので、法律学小辞典第6版を参考に、簡単にまとめておきます。

原始取得

原始取得とは、何も権利が存在しない状態から新たに権利を取得することを指します。

これは、第三者の権利を侵害しない形で新たに権利が生じる取得方法です。

新しい権利の取得なので、例えば何らかの制限や負担が前主の下でついていたとしても、これらを承継することはありません。

原始取得の例

・時効取得 ・無主物先占 ・遺失物取得

例:

荒地を開墾して土地の所有権を取得する場合。 漁獲活動によって魚を取る場合。 創作活動によって著作権を取得する場合。

承継取得

承継取得とは、既に存在する第三者の権利をそのまままたは一定の形で引き継ぐ取得方法を指します。

これは、一つの権利がある人から別の人へと移転する方法です。

相続や売買、贈与などによって他人の権利をそのまま引き継ぐ場合を移転的承継、地役権などのように前主の権利の一部を取得する場合を設定的取得と呼びます。」

まとめ

  • 原始取得は、新たに権利を生じさせる取得方法です。
  • 承継取得は、既存の権利を他者から受け取る取得方法です。

これらの概念は、特に法律の分野で物や権利の取得方法を明確にするために使われます。物の取得や権利の移転に関するトラブルや紛争が生じたとき、原始取得か承継取得かを明確にすることで、どのような法的手続きや原則が適用されるのかを理解する手助けとなります。